一社に勤め上げる時代が終わり、一生で何社も渡り歩くのが当たり前になってきた現代。
転職を考える方が思う一つに必ずと言っていいほど上がるのが
転職するのに必要なTOEICのスコアは・・・? という疑問。
英語はもはや使えて当たり前とも言われるスキル。
転職候補の企業が一定のTOEICスコアを募集の条件にしていることもしばしばありますし、企業の中ではTOEICスコアが昇進の最低条件になっていて、指定のTOEICスコアを取らないと昇進試験が受けられないなんて話もよく聞きます。
そんなキャリアアップをしていく上で必要なTOEICスコア。TOEICの高得点のために勉強しようと意志を持っても難点を目指せば良いかわからないと、モチベーションも上がりにくいですし、そもそも続きにくいです。
今回は、転職を検討している方に向けて、転職の際に必要なTOEICスコアをご紹介。
転職の際の一つの物差しになればと思っています。
目次
TOEICでスコアが高いと転職にプラス?

いきなり結論ですが、転職活動において、TOEICのスコアは高いとプラスです。
なぜなら採用部署によってTOEICスコアを要件としているところがあり、そのTOEICスコアを満たすことで採用の第一段階をクリアすることができるからです。
また、英語を業務で利用するような部署は英語能力が高ければ高いほど良いです。
内定候補者が複数いて、面接で同じ評価だった場合、英語力が高い方の求職者を取ることが多いのは想像に容易いと思います。企業から見れば、入社後言語の壁によって業務が進まないリスクを減らすことができるからです。
英語力を証明する一つの手段がTOEIC。それが日本で浸透しているからこそ、スコアをあげていく必要があります。
TOEICとは?

まずはじめに、TOEICについておさらいしましょう。
TOEICはアメリカニュージャージー州プリンストンに本拠地を置く、ETS(Education Testing Servivce)が運営する、英語を母国語としない人を対象にした英語コニュニケーション能力テストです。
TOEICは「聞く」「読む」英語力を測る「TOEIC Listening & Reading Test(通称 TOEIC L&R)」と、「話す」「書く」英語力を測る「TOEIC Speaking & Writing Test」、スピーキングのテストの「TOEIC Speaking Test」があります。
その中で、日本でいわゆるTOEICと言われ、多くの人が受験しているのはTOEIC Listening & Reading Test。リスニングとリーディング力を測るテストです。
TOEIC L&Rはリスニング問題495点、リーディング問題495点の、合計990点満点。問題数はリスニングとリーディング合わせ全200問です。Part1~4がリスニングセクション、Part5~8がリーディングセクションで構成されています。
企業のTOEICへの意識
では、そんなTOEICをどれだけの企業が意識しているでしょうか?
企業は英語への課題感を持っている
まず、TOEICの話に入る前に、企業の英語への意識についてお話しします。

「英語活用実態調査2019」によると、企業・団体が考える重要なスキルとして英語をあげたのが回答数のうち82.6%で1位です。コミュニケーションスキルと並んで多くの企業で重視されているスキルであることがここで分かります。

合わせて、社員や職員に不足しているスキルとして認識されているもの英語。67%の企業が今後強化する必要がある知識や項目として英語をあげていて1位。リーダーシップや組織マネジメント能力、問題解決能力よりも課題意識が強いことが見て取れます。
中途採用でのTOEICスコアの利用は61.6%

もちろん利用の仕方は書類選考のふるい落としに使うなど様々だと思いますが、半数以上の企業が採用に利用してることがわかると思います。TOEICは点数を取っておくに越したことがない。それが答えだと思います。
要件とするスコアは平均620点

620点です。
この点数、「英語を使用する部署の中途採用で要件とするTOEICスコア」ということなので、英語を使用する部署への転職を望まなければ、620点まで必要ないということになります。ですがこれくらい持ってる方が転職において幅が広がるということですので、この点数は転職活動するにあたっては持っていたいところです。TOEIC600点以下の方は、まずはこのラインを目指してみませんか?
実際に海外出張や赴任に必要なスコアは690点

英語活用実態調査2019では、海外部門の社員に期待するTOEICの平均スコアは690点だったと報告しています。
ですので、海外とのやりとりがあるような部署への転職には690点以上を取得していることが望ましいと言えます。
ただ、個人的に690点は最低要件だと思います。というのも690点レベルでは英語業務に当たるのは非常に難しいからです。
海外部門を目指すなら860点以上、願わくは900点以上のスコアを持っていたいところです。
TOEICスコア別の業種・職種

転職の際にどのようにTOEICのスコアを扱うべきか以下に記しました。ご自身のスコアと照らし合わせてみてください。
TOEICスコアが600点未満
TOEICスコアが600点未満の場合、転職活動でスコアがプラスに働くことはないので履歴書にスコアを書くか書かないかは考えた方が良いと思います。
転職エージェントを使う場合は、エージェントとスコアを履歴書に書くか相談しましょう。その方がリスクなく進められます。転職は基本的に即戦力を求めて求人していますので、英語に関わらない職種の場合はスコアの考慮必要なしの場合も多くあります。
もし、英語を少しでも使う職種の場合は最低限600点を超えられるように勉強していってください。
TOEICスコアが600点から700点
TOEIC600点は多くの企業が基準とするスコアです。600点以上でしたらまずは履歴書に書くスコアとしてはクリア。
最低限英語はできますという証明になります。
ただ、600点では英語を使う職や外資系企業での内勤職(企画やマーケティングなど)に就くのは難しい状況です。このような職に就くことを目指すのであれば700点はとっておきたいところです。
TOEICスコアが700点から800点
TOEICのスコアが700点から800点まできて、やっと応募できる職種の幅が広がっていきます。
前述の通り、英語活用実態調査2019では、海外部門の社員に期待するTOEICの平均スコアは690点だったと報告しています。
ですので、海外とのやりとりがあるような部署への転職には690点以上を取得していることが望ましく、700点以上であればその条件を満たしていると言えます。職種的には、グローバルマーケティング、グローバルビジネスプランニング、グローバルセールスなど。外資系の内勤職(企画・マーケティング・セールス)も視野に入ります。
ただ、これらの職種に応募するにあたってこのスコアレンジはあくまでも必要条件をクリアしたというレベル。
海外向けの職種や外資系を目指すのであれば、それらの職務内容にあった突出した実績を残していたり、実力面で他の求職者に勝るものを持っている必要があります。
できればこれらの職種を目指す方はTOEIC850点以上をとっておきたいところです。
TOEICスコアが800点以上
TOEICのスコアが800点以上あると、応募できる職種の幅がさらに広がります。
日系、外資系問わずTOEICの点数で足切りになる点数ではなくなり、海外との仕事に就ける可能性も高くなります。
職種的には、グローバルマーケティング、グローバルビジネスプランニング、グローバルセールス、グローバルファイナンスなど。外資系の内勤職(企画・マーケティング・セールス)なども問題なく応募できるでしょう。
あとは、職務内容にあった実績や実際に実践で使える英語を持っているかどうかがポイントになります。
外資系は企業によって外国人マネージャーが面接の場に来て英語で面接をすることもありますし、日本人であっても「ちょっと英語で話してみようか」となることもあります。日系企業でも同様です。
ですので、このTOEICレベルで希望の職種につこうと思った時にはTOEICだけでなく英会話、英語で物事を説明できる能力も鍛えておくことをお勧めします。
そこまでできれば、希望した条件での転職も夢ではありません。